幼な妻だって一生懸命なんです!
いったい、なんだったの?
胸に手を当て、今、起こった出来事を思い起こす。
心臓がバクバクしている。
人生には、信じられないことって起こるものなんだなと客観的な感想が頭を過る。
「静まれ、私の心臓!」
このタイイミングで菜々子さんがバックヤードに入って来た。
「美波ちゃん、様子が変だけど、大丈夫?」
左胸に両手を当てて、目を瞑っていた私を目撃して更に驚き顔になっている。
「顔、赤いよ?」
おもむろに私の額に手を当てた。
「熱はなさそうね。心臓がどうとか聞こえたけど、動悸でもしてるの?」
「だ、大丈夫です。なんでもありません!」