幼な妻だって一生懸命なんです!
しかし、その先を考えることも、彼の顔を見て確かめることも許されなかった。
彼は自分のシャツを脱ぎ取ると、スイッチが入ったように何度もキスをする。
先ほどまでの可愛いキスとはまったく違う。
「口、開けて」
長瀬さんの言葉を素直に受け入れる。
舌で口内を遊ばれ、私の意識を遠ざけた。
手を入れ浮かせた背中のファスナーを下ろし、袖からスムーズに私の手を抜いた。
シルクのスリップには胸の形が浮き上がる。
まだ全部を脱いでもいないのに恥ずかしくて、胸を隠す。
「隠さなくていい」
「だって、恥ずかしい」
「きれいなのに?」
「そんなこと、誰にも言われたことない」
「他の男に言わせるか」
「誰にも見せたことありません!」
私は二十一歳になっても、この身を誰にも捧げたことがないのだ。
初めてだと言うことを要さんに知って欲しいような、そうでないような気持ちで感情がぐちゃぐちゃになる。
彼はそれを承知だったのか、驚くよりも嬉しそうに笑った。
「俺にだけでいい」
彼が言い終わらないうちに私の胸に唇を寄せた。
ブラとスリップの紐が同時に下され露わになった胸をもう一度両手で隠す。
「ダメだ」
それを許さないとでも言うように、両手をシーツに縫い止められた。
胸に顔を埋め、キスの嵐を降らす。
彼のそれが増していくうちに恥ずかしさから気持ち良さに変わり、胸の高まりはどんどん上昇していく。
時間をかけてゆっくり彼が私を愛し、彼が高みに達したのは、辺りがすっかり暗くなっていた。
痛くなかったと言えば嘘になる。
けれど、それ以上に彼に愛されたこと、体ごと彼のものになったことが何よりも嬉しかった。
その夜、何度も彼に求められたことが幸せだった。