幼な妻だって一生懸命なんです!


「すみません、ご迷惑をおかけして」

要さんが祖母に謝る声。

「そうね、高山家には突拍子も無いことを提案され困ってるわ」

やっぱり祖母も知っていたんだ。

「どうしてきちんと美波に話をしないの?」

私の名前が出てドキッとする。
そして「きちんと話をしない」何かがあることをうかがわせる祖母の言葉。

「それは…」

「要くんが総太郎さんに言われたから美波と結婚したわけじゃ無いでしょ?」

「もちろんです」

「そうよね、あんな変わり者の言うことを聞いていたら、高山グループの先が思いやられるわ」

祖母の毒舌に呆気にとられる。
高山グループの人間を前に悪口。
あ、これ、私もか。
いつか要さん本人目の前に悪口を言っていたことを思い出した。

「すみません」

「あゝ、要くんが悪いんじゃ無いのよ、総太郎さんのこと」

「伯父は時々何を考えているのかわからない時がありますが、経営手腕が飛び抜けて優れていると知っているので尊敬しています」

「そうね」

「ただ、今回のことは迷惑というか、余計なことを言い出したなと困っていたんです」

「だから、私のところに来たのよね。春頃だったかしら?」

「はい」

要さんと祖母はやはり私たちが結婚する前から面識があったんだ。

「総太郎さんがあんなことを言い出す前から、みーちゃんのことを見ていてくれたんですものね」

えっ?


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