クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「そろそろ家まで送っていく」
「え?」
予想外の言葉に私は目を瞬かせる。
時計を見れば、まだ二十一時を過ぎたところ。
それなのに、もう帰るなんて。
私が空のお皿を持ったまま立ち尽くしていると、部長は首をかしげた。
「どうした?」
「あ、あの」
食器を置いて部長の方へ近づいた。
小さく肩を上下させて深呼吸をしてから、彼の服のすそをつかむ。
「明日は、お休みなので、その」
たどたどしく言う私を、部長は不思議に見下ろしていた。