クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
恋愛経験ゼロの私なりの、精いっぱいの色仕掛け。
そんな私の言葉に、部長は「くっ!」とのどを詰まらせ腕で顔を隠した。
「部長……?」
顔を隠したまま背を向けてしまった部長に不安になる。
もしかして、女の私からキスをねだるなんて恥じらいがないって幻滅されてしまった?
フリーズしたようにしばらく沈黙した部長は、大きく息を吐きだしたあとようやくこちらを振り返った。
「本当に、人の気も知らないで……」
眉をひそめてにらまれ、その表情の色っぽさに心臓が飛び跳ねる。
仕事中の冷静な部長も素敵だけど、余裕のない不機嫌そうな姿もすごくかっこいい。
大きな手が伸びてきて私の後頭部を包み込んだ。
そのまま上を向かされ目を見開くと、「目を閉じて」と耳元でささやかれる。