クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
言われた通り素直に目を閉じると、唇にキスが降ってきた。
触れるだけの、優しいキス。
それだけで体がとろけてしまいそうなほど気持ちがよくて幸せな気分になる。
けれど、そのキスはすぐに終わり部長は私から体を離した。
「じゃあ、送っていく」
冷静に言って背を向けた彼に、私は小さくうなずく。
まるで駄々をこねるこどもに飴をあげてあやすような、短いキスだった。
そのうえキスが終わったとたんすぐに目をそらされてしまった。
大好きな人と過ごせて幸せなはずなのに、なんだか私だけが部長を好きみたいでどうしようもなくさみしく感じた。