クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 たしかにあの白いカーディガンにミートソースのシミがついたらなかなか取れないだろう。
 でも、そんな無防備に二の腕をさらして料理をするのはとても危険だ。
 いろんな意味で。


「じゃあ、今度割烹着を買いに行こう」

 俺がそう言うと、遙は「割烹着?」と目を丸くした。

「このエプロンは、似合ってませんか?」

 しょんぼりしたように「せっかく買ったばかりなのに」とつぶやきながら自分の体を見下ろす。
 ほんわかした雰囲気の彼女に、淡いピンク色のエプロンはものすごく似合っている。

「似合っているがしかし、それとこれとは違う問題なんだ」

 俺が苦渋の表情で言うと、「んんんん???」と遙は首をかしげた。

             

 
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