クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
決死の想い
「遙ちゃん、その後南部長とはどう?」
会社の休憩スペースで千波さんにそう聞かれた私はがっくりとうなだれる。
その様子を見た千波さんは何も言わなくても私の気持ちを悟ったようで、テーブルに頬杖をついて苦笑いした。
「あー、やっぱり苦戦してるんだ」
「いつも部長の部屋に料理を作りに行っているんですけど、毎回門限までにはちゃんと家に送ってくれて、部長からはキスもハグもしてくれないんです」
しょんぼりしながら言うと、千波さんが「はぁっ?」と目をむく。
「大人の男女がふたりきりでいて、キスもハグもなし?」