クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
今日の部長はいつも軽くセットしている黒髪をそのまま自然におろし、白い綿のシャツにシンプルな細身のパンツを履いていた。
スーツ姿ばかり見ていたから、こうやってカジュアルな格好をしている彼はものすごく新鮮だ。
仕事中とは雰囲気が違って、これもまたかっこいい。
本当にこんなに素敵な人が私と結婚してくれるのかな。
そう思うと心臓がドキドキしてくる。
なんだか信じられない気持ちで彼に見とれていると、不意に部長がこちらを向いた。
正面からじっと見つめられ、心臓が飛び跳ねる。
私が息をのんでいると、部長は不思議そうに首をかしげた。
「宮下。人の話を聞いているか?」
「え?」
私がきょとんと目を瞬かせると、部長は苦笑する。
「どんなリングがいい?って聞いているのに、ものすごく上の空だったな」
「す、すみません! つい部長にみとれていて!」
「みとれるって、俺に?」
私の言葉に、今度は部長がきょとんとした表情になる。