クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


「だって、部長はいつもすごくかっこいいので、本当にこの人と結婚できるのかなって思ったら、なんだかすごくドキドキしてしまって」

 頬が熱くなっていくのを感じながらそう言うと、部長は「ぐっ」と言葉につまった。
    
 馬鹿なことを言ってあきれさせてしまったかな。

 不安に思いながら部長を見つめていると、彼はこちらに手を伸ばし私の目元を隠した。

「たのむから、そんな顔でじっと見るな」

 突然視界を覆われ戸惑いながらも素直に「すいません」と謝る。

「部長、怒ってます……?」

「いや、怒っているわけじゃない」

 じゃあどうして私の視界を隠すんだろう。
 不思議に思って手の横から部長の様子をうかがうと、赤くなった耳が見えた。
          

 女性社員から『かっこいい』とか『素敵』とか、どれだけたくさんの誉め言葉を並べられても眉ひとつ動かさない部長が、私の言葉に動揺している?

 信じられなくて目を見開くと、私の視線に気づいた部長が弱ったようにつぶやいた。
       
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