クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
無事指輪を購入してお店を出る。
「部長、ありがとうございます。たくさん買ってもらってしまって、すみません」
割烹着や食器、調理器具だけでかなりの買い物をしたのに、指輪まで買ってもらってしまった。
婚約指輪ほどではないけれど、これもすごく値の張るものだ。
駐車場に停めておいた車に戻り恐縮しながらお礼を言うと、部長はうなずいた。
「次はちゃんとした婚約指輪を買うから、どんなものがいいか考えておけよ」
運転席から甘く微笑みかけられ、幸せをかみしめながら「はい」と返事をする。
私の右手の薬指にはめられたプラチナの指輪は、部長が選んでくれたものだった。
緩やかな丸みを帯びた細いアームに小さなダイヤが四つ埋め込まれ、その周りには繊細なミル打ちが施されている。
遠目から見ればダイヤが四角く配置された大人っぽいデザインに見えるけれど、よく見ると四つ葉のクローバーがモチーフになっていた。
かわいいけれど上品なデザインの指輪。