クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 そんな千波さんの感想に私が顔をしかめていると、「なになに?」と後ろから明るい声が聞こえてきた。

「部長の悪口言ってるなら俺も仲間に入れて」

 私と千波さんが驚いて振り返る。
 そこには先輩の新谷さんがいた。
     
 驚いて跳び上がる私と、面倒そうに顔をしかめる千波さん。

 そんな私たちの反応を無視して新谷さんは私たちの座っているテーブルにつく。

「ちょうど外回りから会社に帰ろうとしたらカフェにいるふたりの姿が見えたから、俺もランチに混ぜてもらおうと思って」

 千波さんは自分の横に陣取った彼に冷たい視線を向けた。

「誰も混ざっていいとは言ってないんですけど?」

「またそういう冷たいことを言う。中谷は本当に素直じゃないよね」

「私が素直な気持ちを態度にだしたら、もっと冷たい対応になるけどいいですか?」

 先輩後輩だけど同い年のふたりはそんな言い合いをしつつも仲がよさそうだ。
             

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