クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「部長のことが、好きなんです」
涙声でそう訴える。
アルコールのせいで理性のストッパーが壊れて、ずっと秘め続けてきた想いがあふれて止まらなくなっていた。
「酔っているときに、そういう冗談はやめたほうがいい」
私はこんなに好きなのに、まともに取り合わず酔っ払いの戯言としてあしらおうとするなんてひどい。
私はむきになって反論する。
「冗談なんかじゃないです」
「酔っ払いの言葉なんて信じられるか」
部長はそう言うとため息をついた。
大好きな部長に一生懸命気持ちを伝えているのに、まともに取り合ってもらえないのが悲しい。
感情が昂って、私は涙を浮かべながら必死に訴える。
「酔ってますけど、本気です」
「上司をからかうな」
「本当に、ずっとずっと部長が好きだったんです」
すがるように言うと、南部長は眉にかかる髪をかきあげながら私を見下ろした。