クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

 どう社会に貢献できるか考え、いつだって自分よりも社員や顧客の利益を優先する人たちだって信じてる。

 だからすれ違いがあったって、しっかり話し合い歩み寄ればちゃんと分かり合えるって信じてる。

 私がくだらない対立をぶち壊して、その架け橋になってやる。
 タクシーの後部座席でそんな使命感に燃えていた。




「つきましたよ」

 運転手さんにお金を払いお礼を言ってタクシーを降りた。

 普段飲みに行ったりしない私は、たくさんの飲食店やバーが並ぶ大人の夜の街にごくりと息をのむ。

 ええと、常務の言っていたお店は、このビルの中かな?

 スマホのメモを見ながらきょろきょろしていると、誰かの肩がぶつかった。
 ドンという衝撃によろめきながら「すみません」と謝る。

                 
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