クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
彼女の行方 恵介side
仕事を終え家に帰ると、突然遙がやってきて驚いた。
いつもとは違う少し焦った様子に不思議に思っていると、彼女は靴をぬぎもせず玄関で俺に問いかけた。
「部長。私に隠していることはありませんか?」
その質問に、ぐっと言葉につまる。
隠していること……。
そう言われて思い当たるのはひとつしかない。
酔った遙を家に連れて帰った夜、なにもしていないといいつつ胸をもんでしまったこと。
もしかしてあのとき遙は起きていて、俺に胸を触られたのを覚えていたのか?
いやでも、あれは触ろうとして触ったわけではなく、遙が寝返りをうったから触れてしまった不可抗力だ。
その後手を放しがたくて、しばらくそのまま柔らかい感触を楽しみはしたけれど。