クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
それを正直に言った方がいいのだろうか。
でも素直に白状すれば俺を紳士だと信じている遙に幻滅されるかもしれない。
それに超絶過保護の社長と真一に知られたら、大きなハサミをもって追いかられるに違いない。
そのうえ結婚なんて絶対許さないと言い出しかねない。
言うべきか、隠しとおすべきか。
「……いや、なにも隠していない」
悩んだ末に俺が首を横に振ると、遙は明らかにショックを受けた表情をした。
「宮下。なんで突然そんなことを言い出したんだ?」
彼女の表情に俺が慌ててそう問うと、遙は顔をあげてこちらを見る。
そして以前常務が財務管理部にやってきたときの話をしだした。
「そのとき言ってましたよね? 『私がこちら側につけばかなり有利に進む』って。あれはなんの話だったんですか?」
「いや、あれは……」
彼女の追及に言葉が詰まる。