クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
救出と真実
                

         


 
 目を覚ますと、見覚えのない薄暗い場所にいた。


 タバコとお酒のにおいで充満した部屋。
 段ボールやお酒のケースが積まれているから、どこかのお店のバックヤードかもしれない。

 ゆっくりとあたりを見回し瞬きをする。


 私はくたびれたソファに寝かされていた。
 恐る恐る体を起こしてみる。
 頭と頬はズキズキと痛むけれど、手や足は縛られていなかった。

「やっと目を覚ましたか」

 私が目を開いたのに気付いた髪の長い男が、にやりと笑ってこちらを覗き込んできた。
          

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