クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
路上で桑井さんに掴まり抵抗した私は容赦なく殴られ気を失っていたようだ。
口の中が鉄の味がするのに気付く。
どうやら殴られた拍子に口のなかを切ったらしい。
あれからどれくらい時間がたっているんだろう。
さりげなく時間がわかるものがないか探してみたけれど、時計どころか窓には黒いフィルムをはられ外すら見えない。
スマホで助けを……。
と思ったけれど、私の荷物は見当たらなかった。
「起きた途端騒ぐかと思ったら、妙に静かだね」
茶髪の男がそう言って楽しげに笑う。
「さすがに怖くて声もでないんじゃねぇ?」
部屋の中には私と茶髪の男と髪の長い男の三人だけだった。