クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
後悔なんてしません。そう反論しようとしたけれど、唇をふさがれ言葉にできなかった。
生まれてはじめてのキスに心臓が大きく跳ねる。
ずっと憧れていた部長が私にキスをしてくれるなんて信じられない。
驚いて目をまん丸に見開くと、そんな幼稚な私の反応をからかうように部長はキスをしながらのどの奥で小さく笑った。
たぶんこのキスは、子供のように駄々をこねる私をなだめているだけなんだろう。
部長のような大人の男性が私を本気で相手にするわけがない。
そうわかっているけれど、それでも泣きたくなるほどうれしかった。
「ん……っ部長、好きです。大好き」
部長の首に腕を回してしがみつき何度も「好き」とつぶやくと、涼しげな黒い瞳がこちらを睨む。
「こっちは必死に理性を保とうとしているのに……」
舌打ち交じりに言われ意味が分からない私が目を瞬かせると、大きな手に頬を包まれた。
目じりに浮かんだ涙をぬぐい、そのまま上を向かされる。
そして、めまいがするほど気持ちいい、大人のキスが降ってきた。