クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
突然の求婚
 



 私、宮下遙は国内有数の不動産会社、宮下不動産グループの社長令嬢として生まれた。

そして、超絶過保護な父と兄によって甘やかされて育ってきた、いわゆる箱入り娘だ。

 幼稚舎から大学までエスカレーター式のお嬢様学校に通いアルバイトも許されなかった私は、同年代の異性とかかわりを持たないまま社会人になった。

 過保護な家族からの命令で就職先はもちろん父の会社。
 大型商業施設やマンション建設などの都市開発をはじめ、ホテル事業や不動産の仲介業、投資顧問会社など多岐にわたるグループ会社を有する宮下不動産。

 それらの事業を統括するグループの頂点、宮下不動産ホールディングスに就職して今年で二年目になる。

 ちなみに父が社長、七歳年上の兄・真一が専務を務めている。


 本当は家業とはまったく関係のない会社に就職したかったけれど、もしそうなったら父と兄が交代で毎日職場に様子を見に行くぞと脅すので、仕方なくこの会社に就職した。

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