クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
謝罪とともに頭を下げられ、私は困ってしまう。
だって部長は真剣に謝ってくれているのに、私はうれしくてたまらないんだから。
なんて返事をすればこの気持ちが伝わるのか少し悩んで、目の前に跪く部長の右腕をとった。
私よりもずっと大きな手を両手でつかむと、そっと自分のほうへ引き寄せる。
部長は不思議そうな表情で私を見ていた。
なんだか恥ずかしくてうつむきながら部長の右手を自分の胸の上に置く。
ふにっと柔らかな感触に、部長の体がこわばった。慌てて引き抜こうとする手を、両手でつかんで引き留める。
「触ってください」
こんな大胆なお願いをするなんて恥ずかしいけれど、必死に想いを口にする。
「部長が私に手を出してくれないのは、私に魅力がないからなんだと思っていつも落ち込んでいました。でも、部長が私に触りたいと思ってるって知ってすごくすごくうれしいです」
「宮下……」
「私も、もっと触ってもらいたいです」
照れながらそう言うと、部長は左腕で口元を隠し私に背を向けた。