クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「あー……、もう本当に」
そんなつぶやきを漏らす部長に、私は不安になってその顔をのぞきこもうとする。
するとこちらを振り向いた部長と目が合った。
「そうやって大人の男をあおって、泣いてもしらないからな」
男らしい彼ににらまれ、私は首を縦に振ってうなずいた。
「部長になら、泣かされてもいいです」
私がそう言うと、部長は小さく笑う。
つられて私も笑顔になった。
ふたりで笑いあってから、自然と唇が重なった。
殴られて切れた唇の端にピリッとした痛みが走り小さく顔をしかめると、それに気づいた部長が慌てて唇を離す。
「痛いか?」
その問いかけに私は首を横振ってこたえる。