クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

 あー、もう、どうしよう。
 すごくすごくうれしい。

 好きという気持ちがこみあげてきて、部長の首に手を伸ばしぎゅっと抱き着いた。

「部長、大好きです!」

 部長はくすりと笑い、私の髪をなでながら首をかしげる。

「そういえば、宮下はいつまで俺を部長って呼び続けるんだ?」

「部長こそ、そろそろ私を下の名前で呼んでくれてもいいと思うんですけど」

 そう言って、目が合うと一緒にふきだした。
 自然と顔が近づき、こつんと額をぶつけて微笑みあう。

「好きだよ、遙」

「私も大好きです、恵介さん」

 触れては離れるキスを繰り返しながら、「好き」と何度もささやきあう。

 それだけで幸せで溶けてしまいそうだ。

 けれど部長、ではなく恵介さんはそれだけでは物足りないらしい。
 私にまぶたや耳元にキスを落としながら「寝室に移動してもいいか?」と熱っぽい声でたずねてきた。

 私は少し考えてから首を横に振る。
 すると恵介さんは明らかにショックをうけた表情になった。

                       
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