クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 その表情は怖いくらい真剣だ。
 私に突き刺さる三人の視線に、思わずじりじりとあとずさる。

 な、なんだろう、この沈黙は。
 私、なにか失礼なことをしてしまった? 
 それともこんな世間知らずな小娘は、恵介さんの嫁にふさわしくないと思われた……?

 私が不安で青ざめていると、恵介さんがうんざりしたように大きなため息をつく。

「おやじもおふくろも花緒里も、顔が怖い」

 そうつっこまれたご両親は、はっとしたように瞬きをする。

「あら、失礼しました。噂には聞いていたけど想像以上でつい……。ね、お父さん」

「あぁ。こんなに凝視したら怖がらせてしまうな。申し訳ないね、遙さん」

 顔を見合わせ笑う恵介さんのお父さんとお母さん。
 私が首をかしげると、花緒里さんはまだじっと私を見ているのに気が付いた。

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