クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 恋に落ちたきっかけは、本当にささいな出来事。
 完璧で近寄りがたく見える彼の素の姿に、私の心は奪われたのだ。


 けれど、学生にとって七歳の年の差は大きすぎる。

 彼から見れば私はただの友人の妹で、こんな幼い子供が女性として意識してもらえるはずもない。

 彼が家に遊びにくるたびに『恵介さん大好きです!』と何度も好意を伝えていたけれど、その告白は真剣に取り合ってもらえなかった。
 恵介さんはいつも適当に聞き流し、『中学生は元気でいいな』と私を子供扱いしてあしらうだけだった。

 大学を卒業すると彼は我が家に遊びにこなくなり、私の初恋は見事に散った。


 それなのに、八年後入社式の前夜に兄から突然告げられたのだ。



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