クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

　私がそう言うと、恵介さんは噴き出すように笑った。
　うれしくてしかたないという表情で。

　その笑顔を見て私はさらに彼を好きになる。
　どうしよう、こんなのもう際限がない。

「恵介さん」

「ん？」

「好きです」

　こらえきれずに好意を伝えると、ちょうど赤信号で車が停車した。
　恵介さんはハンドルに額をつけて「あー、もう……」とつぶやく。

「具合でも悪いんですか？」

　心配した私に恵介さんは「違う」と首を横に振った。

「食事でもしてから帰ろうと思っていたのに、遙があんまりかわいいことを言うから我慢できなくなった。今すぐ抱きたい」

　そのストレートな言葉に頬が熱くなる。
「もう！」と恵介さんの肩をたたくと、恵介さんが体を傾け私の耳元に唇をよせた。