クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「でも、私は部長が大好きですけど、部長は……」
部長は酔っぱらって好きだと泣く私に同情してくれただけじゃないのかな? そう不安に思っているとぽんぽんと頭をなでられた。
「社長の大事なひとり娘で、親友の妹でもある宮下に手を出したんだから、責任をとるのは当たり前だろ」
「責任……」
部長の言葉を小さく繰り返す。
ようするに、別に私を好きじゃないけれど、責任感だけで結婚するって意味?
私が困惑して眉を下げうつむくと、部長は「あぁ、言い忘れていた」とつぶやいた。
なんだろうと思っていると、頭をなでていた手が私の後頭部を包み引き寄せられる。
驚いて顔を上げた私に、ちゅっと触れるだけのキスが降ってきた。
唇に触れた柔らかい感触に目を丸くすると、至近距離で部長が微笑む。
「宮下。好きだよ」
大好きな憧れの人にそうささやかれ、幸せで頭の中に色とりどりの花が一斉に咲いた。