クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
愛らしい彼女 恵介side
遙と初めて出会ったのは、俺が二十歳のとき。
大学で知り合った友人の真一の家に招かれた。
彼の父が大企業の社長なのは知っていたけれど、彼の住む自宅のその豪邸っぷりには驚いた。
高い塀の中にある綺麗に整えられた庭で、彼女に出会った。
白い肌に肩のあたりで切りそろえられたサラサラの髪。
小さく形のいい輪郭に、大きな瞳や小さな鼻、そしてピンク色の唇がバランスよく配置されていた。
まだ中学生だった彼女は、まるで妖精のように可憐で愛らしかった。
俺はでかい図体に似合わず、小さくかわいらしいものが大好きだった。
小さな子供が遊んでいるのを見れば微笑ましさに目じりを下げるし、もふもふの子犬が歩いていればしゃがみこんでなでたくなる。
けれどそれを実際に行動に移せば子供は泣きだし、子犬はおびえて尻尾を下げる。
小動物も子供も好きなのに、相手から好かれないのをちゃんと自覚していた。