クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


『また探してたのか。葉が四枚あったってしょせんただの草だろ。見つけてどうするんだよ』

『お兄ちゃんの意地悪。四つ葉のクローバーを見つけたら、幸せになれるんだから』

『遙には俺という優しいお兄ちゃんがいるんだから、今だって十分幸せだろ』

 そんな兄バカ全開の真一の言葉を無視して遙はこちらを見上げた。

『お兄ちゃんのお友達、ですか?』

 細い首をこてんとかしげてたずねる。

『あぁ。大学の友達の南恵介』

『恵介さん。はじめまして、妹の遙です』


 白く柔らかそうな頬を紅潮させてこちらを見る。
 大きな瞳がキラキラ輝いていて、人懐っこくて小さなポメラニアンに見上げられているような気分になった。

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