クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
真一の言葉にわれに返った。
しまった。
愛想のない俺がこうやってじっと見たら怖がらせてしまう。
『悪い』と俺が目をそらすと、遙は肩をすくませて小さく笑いながら首を横に振った。
サラサラの髪が太陽の光に透かされて金色に光って見えて、ますますポメラニアンに重なって見えた。
『お前、俺の妹がかわいいからって手を出すなよ』
真一に忠告され俺は『手を出すわけないだろう』と苦笑いをする。
七歳も年下の中学生なんて。
しかもあんなにかわいいポメラニアンみたいな生き物になんて。
手を出すどころか近づくのさえ気が引ける。
だって細い腕も華奢な肩も、少しでも触れれば壊してしまいそうだ。
それから真一の家に遊びに行くようになり、遙とも顔見知りになった。