クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

 このまま抱いて自分のものにしてしまいたい。

 けれど相手は社長の娘で親友の妹だ。なんのけじめもなく手を出すわけにはいかない。

 必死に理性をふりしぼりながら遙の髪をなでると、夢見心地の彼女は幸せそうにとろんと微笑んだ。
 無邪気な彼女に苦笑して、ベッドから離れスーツを脱ぐ。

 ネクタイをほどきシャツのボタンをはずしていると、遙が寝苦しそうに小さく「んん……」と声をもらし寝返りをうつ。

「宮下。服が苦しいのか?」

 ブラウスの一番上まで止められたボタンを見ながらたずねると、彼女はぐずるようにシーツに後頭部をこすりつけ首を振る。

「苦しいから、脱ぎたいです……」

 目を閉じたままの遙に舌ったらずな口調でねだられ、頭に血がのぼる。
 なんだこれは、俺は今なにかに試されているんだろうか。


「ボタン、上だけ外すぞ」

 ちゃんと断ってから彼女の胸元に手を伸ばす。


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