クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
心の中で決意しつつ、荒れ狂う社長に向かって畳に手をつき頭を下げる。
「遙さんと結婚させてください」と自然と言葉が口から出ていた。
今まであまり恋愛に興味のなかった俺が、はじめて彼女をいとおしいと思った。
彼女を自分のものにするためには、社長と真一に認めてもらわなければならない。
そうなると、結婚しかない。
結婚という大きな決断に、なんの迷いもためらいもなかった。
放心状態の社長と真一に頭を下げ家を出て車に乗り込もうとすると、遙が追いかけてきた。
「あの、部長! 結婚ってどういうことですか?」
息を切らしながら俺に問いかける。
確かに冷静に考えると、交際もしていないのに突然プロポーズをするなんていくらなんでも強引すぎる。