クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「部長、おはようございます」
挨拶をした私たちにうなずいてから、「宮下、ちょっといいか」と目配せをする。
「はい」
ちょっと機嫌が悪そうに見えるけど、どうしたんだろう。
そう思いながらついていくと、休憩スペースにたどりついた。
部長は立ち止まると、あたりに人がいないのを確認してからこちらに手を伸ばした。
そして大きな手で私の両肩を払う。
「ほこりでもついていましたか?」
私が自分の肩を見下ろすと、部長は仏頂面で「いや、さっき新谷に掴まれていたから」とつぶやく。
意味がわからず瞬きをする私に、部長は「なんでもない」と首を横に振って私の肩から手を離した。