クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


「なにがどうしてそうなったの?」

 困惑気味の彼女に週末の出来事を説明する。
 千波さんはベーグルサンドをかじりながら聞いていた。

 私が話を終えると、口の中のベーグルを飲み込んでしみじみとつぶやく。

「あのもて男の南部長が結婚なんて、意外」

 その千波さんの感想に、私は首をかしげた。

「どういう意味ですか?」

「だって南部長、すごくもてるのに恋人がいるって話を聞かないから、ひとりの女にこだわらないでうまく遊び回ってるのかなぁって……」

 千波さんはそう言いかけてから、はっとしたように「ごめん!」と謝った。

「部長と結婚する遙ちゃんにこんな話をするのは失礼だよね」

「いえ、私も部長がもてるのはちゃんと知っているので、ある程度は覚悟しています」


   
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