クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


「カギをもらっていいんですか!?」
  
「結婚するんだから、当たり前だろ」

 私の興奮っぷりを見た部長が、片頬にしわを寄せて笑う。
 その色っぽい表情に、湯気が出そうなくらい頭に血が上った。

「合いカギを作ったのはいいけど、渡すタイミングがみつけられなくて渡せずにいた」

 照れくささを隠すように少しぶっきらぼうに言う。
 
 部長が私のためにわざわざ合いカギを用意してくれていたんだ。

 両手で受け取ったカギ。
 その重みの分だけ結婚の実感がまして、喜びがこみあげる。

「うれしいです。宝物にします……!」

 私が両手の上に置いたカギを凝視して感激に体を震わせていると、部長はあきれたように笑った。

「宝物にするんじゃなくて、ちゃんと使えよ」


 大きな手のひらでちょっと乱暴に頭をなでられ、胸がときめく。


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