全ては君の思うまま
鷹野はますます仕事が忙しく、確かにちょっと痩せてきている。
家政婦の谷さんがごはんを作ってくれて冷蔵庫に置いていってくれるのだが、それを食べる気力もないほど疲れている。

「疲れてるときでも、寧々がいてくれたらどんなに気が休まるか」

最近、寧々と呼び捨てにされる。
私は鷹野っていったり、槙っていったり、まあその時々によって、変えている。

家政婦の谷さんも、彼女が出来たのを気付いているようで、早く紹介しろって言ってくるそうな。

彼にとっては、第2の母親みたいなもの、って言ってたけど。冷蔵庫に入ってる谷さんの料理は美味しくて、レシピを教わりたいものばっかりだ。前は週3できてもらっていたが、今は週1に減らしたらしい。

なんでも、谷さんのお義母さんの介護が大変で来れなくなっているそうだ。そういう理由もあって、前にも増して食生活が乱れているらしい。

「ニキビできてる」

ぽつっと赤くなっているニキビを指摘すると、

「最近多いんだよ。なんか萎えるよね」

彼も気にしているらしい。



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