全ては君の思うまま
そう言うなり、どこかに電話をかけ始める。

そうだったー。この男は展開が、展開がめちゃくちゃ早いんだった!目の前にある問題点はことごとく秒で潰しにかかる人だった!

ってことは、覚悟ないのは私か?

鷹野と付き合って3ヶ月しかたってないし、年上だし、おまけに別にどこかのお嬢様でもないし、マイナス面多くない?説得力なくない?お金目当てって思われたら、どうしよう。

言わなきゃよかった。

どーんと奈落の底へ落とされる。

「親父と連絡とれたよ。俺があの家に行ってもいいって言ったんだけどさ、親父が来るって。だから部屋で待ってよう」

車に乗り込む鷹野の腕を掴む。

「ね、私のせいで鷹野まで追い出されたりしない?そうなったら、ダメだからね。この話ナシにしようね?」

そのまま抱きすくめられ、額にキスされる。

「そうなったら、あのマンションを出て、俺がこっちに引っ越してもいい?」

そうなるの?!結果、一緒に住むつもり?

「ま、そんなに鬼じゃないでしょ。親父、俺には甘いから。大丈夫」

本当かよ。その言葉、信じられるの?
彼に促されて助手席へ乗り込んだ。

もう、私、絶体絶命な気がする。

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