全ては君の思うまま
「スタッフはどうなの?」

再び聞かれて、考え込む。

「元気。とにかく元気。うん…元気だね」

「元気しか言ってないけど」

笑われて、頬に軽くキスされる。

「槙も来てみたらわかる。なんか、こうしびれる感じがないの。かっこいいとか素敵とか、こう心を揺さぶられる接客ではないわけ」

「しびれる…ねぇ」

「カラーがないのよね。これじゃ、他の飲食店と同じでつまらないじゃない」

喋りながら、槙の体温で眠くなってくる。
もっと、もっと、仕事のこと喋りたいのに、まぶたが落ちてくる。

「だからね…」

私はいつの間にか眠ってしまったらしい。

目覚めると、ベッドの中にいて、隣に槙はいなかった。



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