全ては君の思うまま
着いたところは一見するとホテルの駐車場だった。確かに山の上ではあるけれど。

見渡しても、キャンプ場が見当たらない。

「どこでキャンプするの?」

槙は私の分の荷物も持ってくれていた。
車の鍵を閉め、

「ホテルの人に案内してもらおう」

とホテルの中に向かった。キャンプだけどホテル?どういうことだ?

フロントでやりとりする姿を、ソファに座って見つめていた。やっぱり、後ろ姿も絵になる。背中から腰にかけてのラインがセクシーだ。

チェックインの手続きを終えた彼は、私の側までやってきた。

「荷物はあそこの彼が運んでくれるっていうから、俺は寧々を迎えに来た」

立ち上がり、ホテルのスタッフを見ると、こちらにお辞儀をされた。さりげなく槙の手が腰に回る。スタッフに案内されるまま、私たちは外へと向かった。
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