全ては君の思うまま
あがってシャワーを浴びていると、見ないと言っていた槙はばっちりこちらを見ているわけで。思わず体を隠すと、

「2人で温泉なのに、まだ理性保ってる俺を誉めて。いいじゃん、綺麗なんだからさ」

またしれっと、彼は言うのだ。そして外に視線を移しながら、タオルを頭にのせている。
なんとかわいらしいこと。

「先に着替えてるね」

「はーい」

大変よいお返事で。

夜にはバーベキューをするという。久々の温泉、やっぱり気持ちがいい。

自然の音が至るところにある。
まるで、実家に帰ったみたいと目を閉じる。

最近、帰ってないなぁ。
そんなことを思いながら、サーバーの水を飲んだ。

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