全ては君の思うまま
バーベキューまでまだ時間があるからと、ハンモックに寝かされてしまった私は呆気なくそこで眠ってしまった。

たくさんのキスで起こされ、幸せの余韻か有り余っている。

「やっぱりこういうのもいいよね」

焼かれた肉を食べながら、外で食べるご飯の美味しさをかみしめる。なんでもないことを、2人で話せる時間が心地いい。

食べ終わり、しばらくそのまま、星空を見上げる。

「こんなに星を見たの、いつぶりかな」

虫の声も心地よいが、寒くないようにと槙はブランケットで私を包む。

「寧々とこうしていられるの、夢みたい」

こんなドキドキする体勢でなんで甘えてくるかな。確信犯だろ、こいつ。

ワインを飲みながら、星空を見つめ続けた。

そして、またじゃれあいながらお風呂に入ったあと、

「もう我慢しない」

と槙はベッドに私を寝かせた。

「ここでは声、いくらでも出していいよ」

なんてこと言うんだ、この人。と顔が赤くなる前にもう槙の手に堕ちている。

この人はすべてわかり尽くして、なお責める。責めながら、愛をささやく。
私の名前を、絞るように、呼び続ける。
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