全ては君の思うまま
今はもう、何も考えたくない。
ただ、父親が目を覚ましてくれたら。
それだけだ。
なんとなく槙とは連絡がとれずに、3日が過ぎた。父親は目を覚ましたが、まだもやもやとしていて意思の疎通がとれないときもある。けれど、まず、目を覚ましてくれたことにほっとした。
母親は、もう大丈夫だから仕事に戻れ、と口うるさくなってきた。全然大丈夫だとは思えないのに。
とりあえず、一度仕事に戻り、休みの日はこちらにまたくることになった。妹夫婦は、週末だけは忙しいから、そこだけでも帰ってきてくれると助かると言って送り出してくれた。
新幹線の中で、スマホを見つめる。
槙から連絡はきていない。
出張が忙しいのかもしれない。
東京駅についたところで、槙から着信があった。電話に出ると
「今からそっちにいこうと思うんだけど、寧々のお父さんの病院教えてくれる?」
「え、待って。今東京に戻ったところなの。槙、出張じゃないの?」
駅の中はうるさくてほとんど何も聞こえない。
「槙?聞こえない、なに?」
電話は切れてしまった。また連絡をとろうとスマホをいじっていると、目の前で人が立ち止まる気配がした。
見上げたのと、抱き締められたのが同時だった。
ただ、父親が目を覚ましてくれたら。
それだけだ。
なんとなく槙とは連絡がとれずに、3日が過ぎた。父親は目を覚ましたが、まだもやもやとしていて意思の疎通がとれないときもある。けれど、まず、目を覚ましてくれたことにほっとした。
母親は、もう大丈夫だから仕事に戻れ、と口うるさくなってきた。全然大丈夫だとは思えないのに。
とりあえず、一度仕事に戻り、休みの日はこちらにまたくることになった。妹夫婦は、週末だけは忙しいから、そこだけでも帰ってきてくれると助かると言って送り出してくれた。
新幹線の中で、スマホを見つめる。
槙から連絡はきていない。
出張が忙しいのかもしれない。
東京駅についたところで、槙から着信があった。電話に出ると
「今からそっちにいこうと思うんだけど、寧々のお父さんの病院教えてくれる?」
「え、待って。今東京に戻ったところなの。槙、出張じゃないの?」
駅の中はうるさくてほとんど何も聞こえない。
「槙?聞こえない、なに?」
電話は切れてしまった。また連絡をとろうとスマホをいじっていると、目の前で人が立ち止まる気配がした。
見上げたのと、抱き締められたのが同時だった。