全ては君の思うまま
クリスマスの前に、もう終わりにしたいと槙に告げた。

どうして?となかなか納得しない彼だったけれど、決心の揺らがない私をみて何も言わなくなった。

もう充分過ぎた。
夢から醒めるなら、できるだけ早い方がいい。

私は来年度からの勤務を実家に近い営業所を希望した。地方勤務は人気がないから、すぐに戻れるだろう。父親のこともあるので、上司からはほぼ決まりと思ってくれて構わないと言われている。

槙と暮らして楽しかった分、一人になると彼のことを想ってしまう。そうならないようできるだけ休日は実家に帰り、わざと忙しくなるようにしていた。
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