私の想い、キミの隣。
『あ、竜太!』

『部活終わったなら一緒に帰ろうぜ~』

『ちょっと待ってて!今片付けるから』

私は残りの片づけをササっと済ませ、玲を呼び出す。


『玲!さっさと来ないと置いてくよ!!』

『歩くのももうだるいわ…』


と言いながら私の背負っているリュックをつかみ歩け歩けと言わんばかりに揺らす。


『邪魔…重いんだけど…』

『え~…』

『お前らホント毎回よくやるな…ほら玲自分で歩け』


竜太はそう言いながら玲を私から引きはがす。

彼、赤羽竜太はバスケ部に所属している。
私たちと小学校が同じで仲良くなったのは2年生になってから。
バスケ部はバレー部と一つの体育館をネットで分けて使っているためよく顔を合わせる。

なぜ仲良くなったのか、それは私でも未だに謎だけど気づけばよくこの三人で遊びに行くことが増えていた。


『そういえばもう部活も終わりだよなあ。高校に入ってもバスケ部続けるかなあ』

『引退かあ…まあ私マネージャーだし大したことやってないけど(笑)』

『これからは休日寝てても怒られないな』

『私たちはあともう少し後輩に引き継ぎがあるからもう少しあるけどね』


今日も他愛もない会話をしながら帰路につく。

お互い家の近所まで来ると

『じゃ、今日6時に俺の家集合な!』

と竜太は行って帰っていった。


今日は初めて3人で夏祭りに行く日だった。
最初の頃は男子2人に女私ひとりだと遊びに行くのには抵抗があったが今はもうそんなことを気にしていても仕方がない。

『遅刻するなよ~?』

と玲に言うとはいはいと言いながら去っていった。

『ほんと可愛くないヤツ…』ボソッ


この日、彼に対する想いがどれだけ変わるかも知らずに私は呟いていた。

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