わたしが「呼吸する」とき
だいちくんを見ると、押されたためか、膝を怪我しており血も出ていた。
だいちくんはショックだったのか、泣いており話すことも難しい状態だった。
だいちくんの怪我の手当を他の職員に任せ、私はまいちゃんを連れて他の静かな場所へ連れて行った。
まいちゃんも冷静ではないと判断した上でだ。
「まいちゃん。だいちくんに何か嫌なことをされたりした?まいちゃんはそのとき一緒にサッカーをしていたのかな?」
「……サッカーはやってない」
「じゃあ、何でだいちくんを押しちゃったり叩いたりしたのかな?」
「……」
彼女はそれに対しては何も答えなかった。
私は自然と彼女の手に視線を向けていた。
彼女の手は、尋常ではないほど震えていたからだ。