わたしが「呼吸する」とき


だいちくんを見ると、押されたためか、膝を怪我しており血も出ていた。

だいちくんはショックだったのか、泣いており話すことも難しい状態だった。


だいちくんの怪我の手当を他の職員に任せ、私はまいちゃんを連れて他の静かな場所へ連れて行った。

まいちゃんも冷静ではないと判断した上でだ。


「まいちゃん。だいちくんに何か嫌なことをされたりした?まいちゃんはそのとき一緒にサッカーをしていたのかな?」

「……サッカーはやってない」

「じゃあ、何でだいちくんを押しちゃったり叩いたりしたのかな?」

「……」


彼女はそれに対しては何も答えなかった。

私は自然と彼女の手に視線を向けていた。


彼女の手は、尋常ではないほど震えていたからだ。


< 11 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop