わたしが「呼吸する」とき
彼女は周囲とのコミュニケーションが苦手である。
一ヶ月過ごした中で、上手く言葉で伝えることができず、手が出てしまうのである。
ただ、年長になり入園した頃の2年前よりは少しずつ落ち着き、一生懸命に伝えようとする姿が見られるようになったと、ノートには記されていた。
今の状況では難しいと判断した私は、当時の主任の先生に相談し、任せてみることにした。
3年目にもなり、自分の不甲斐なさと悔しさをひしひしと感じたあの時の気持ちは今でも忘れられない。
やはりこの職には向いてなかったのだとも思った。
あの後、主任の先生から彼女についてこんな話をされた。
あの時、彼女は一緒にサッカーをしたかった。
だが、それを上手く伝えられず、サッカーをしていただいちくんが「どいて」と突っ立ったままの彼女に言ってしまったのだそう。
それに傷ついた彼女があのような行動をしてしまったのだ。