わたしが「呼吸する」とき


その日の帰り、私はだいちくんの母親に一連の件を説明し、謝罪をした。

すると、母親はこう言ったのだ。


「何でうちの子がこんな目に合わなければいけないのですか?突然押したり叩いたりって。だいちは悲しかったはずですよね?理由もなくこんな行動するなんて、その子と同じクラスはとても嫌です」


悲しかった。

私はしっかり伝えたはずだ。

まいちゃんはだいちくん達と一緒にサッカーをしたかったが、上手く伝えられずに困ってしまい、手を出してしまった、と。

彼女の気持ちを母親には伝えたはずだったのに。


「まいちゃんはただ、だいちくんと一緒にサッカーをしたかっただけでありまして……」

「それでもこんな怪我をさせるようなことします?いい加減にしてください。そんな子が一緒の園に通ってるなんて、信じられません」


そう吐き捨て、母親はだいちくんを連れて帰ってしまった。


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