わたしが「呼吸する」とき
私はその場で思い切り泣きたかった。
ただ、今はまだ子どもたちとその保護者たちの前にいる。
泣いてはいけないと思い、私は必死に我慢した。
職員室に戻り、私は一件について園長と主任に説明した。
まいちゃんの母親には主任から話をしてくれていた。
「菜摘先生がいけない訳ではないよ。ただ、まいちゃんのお母さんに今回の件について話したら、娘のことを理解してくれない子の保護者がいるのは悲しい、と泣いていてね。発達障害だからと言ってみんなと違うということではないのに、そう捉えてしまう人もいるのだということを菜摘先生には知っていてほしい」
「……はい」
「菜摘先生はあの時、まいちゃんに怒らずゆっくり何があったのか一つひとつ聞いていたのはとても良いことだから、自分を責めなくていいんだから」
私は主任からの言葉に思わず涙が出てしまった。
この職について何百回も失敗をしたのに、この時の失敗、自分の行いが一番悔しかった。