わたしが「呼吸する」とき
「何でそんなにお酒買ってきたの?幸樹くんお酒なんか全然飲まないじゃん。20歳になったばかりだし」
「俺のじゃなくて、菜摘さんの分。菜摘さん酒豪なんだから、これだけ飲んでも平気でしょ」
「さすがにその量は無理があります……」
私は冷蔵庫から作り置きしていた惣菜をいくつか出し、電子レンジで温める。
一方、彼も買ってきた惣菜や刺身を袋から出し、机の上に置いた。
「さぁ、菜摘さんが元気になりますように。かんぱーい」
「か、かんぱーい……」
彼はチューハイをゴクッと美味しそうに飲むが、私は飲む気にもなれなかった。
そんな私の様子に気づいたのか、目の前に座っていた彼は何故か立ち上がり、私の隣に移動してきた。
それにしても、ち、近い……。
私たちはあくまでも友達だから。