わたしが「呼吸する」とき
act1




『2017年4月3日。また新しいスタートになりました。』




いい匂い。これはコーヒーだな。

二人が好きなブラックコーヒー。彼は毎朝美味しいブラックコーヒーを淹れてくれる。


「なつ、そろそろ朝ご飯食べなきゃ間に合わないよ。遅刻するよー」


今日もいい朝を迎えることができた。

大好きなブラックコーヒーの匂いに包まれながら……。


「あーっ!やばーい、遅刻する。遅刻するよぉー!」


私はベッド際に置いてある目覚まし時計を見て、目が魚のように飛び出るかの如く驚いた。

今日こそ私が朝食を作ろうと思ったのに……。

しっかりアラーム設定して寝たはずなのに、どうして目覚ましの音に気が付かなかったんだ、私。




まぁ、理由はあるんだけどね。

今の自分の格好を見れば一目瞭然。


< 2 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop