わたしが「呼吸する」とき
act1
『2017年4月3日。また新しいスタートになりました。』
いい匂い。これはコーヒーだな。
二人が好きなブラックコーヒー。彼は毎朝美味しいブラックコーヒーを淹れてくれる。
「なつ、そろそろ朝ご飯食べなきゃ間に合わないよ。遅刻するよー」
今日もいい朝を迎えることができた。
大好きなブラックコーヒーの匂いに包まれながら……。
「あーっ!やばーい、遅刻する。遅刻するよぉー!」
私はベッド際に置いてある目覚まし時計を見て、目が魚のように飛び出るかの如く驚いた。
今日こそ私が朝食を作ろうと思ったのに……。
しっかりアラーム設定して寝たはずなのに、どうして目覚ましの音に気が付かなかったんだ、私。
まぁ、理由はあるんだけどね。
今の自分の格好を見れば一目瞭然。